日本シリーズのまとめ

さぁ日本シリーズの総括です。

いろんな新聞に阪神の敗因として「プレーオフからの勢いの差」「初戦に赤星の盗塁を試みたときに鳥谷がファールしてしまった」「データ分析の差」「JFKの出し惜しみ」「金本の不調」etcなど様々な事が載っているのでそれ以外の事を書きます。

 ロッテと阪神の差、それは「柔軟さと安定」です。
 阪神の先発メンバーは年間を通してほぼ固定でした。6番右翼手がスペンサーか桧山、8番二塁手が藤本か関本で変わるぐらい。ちなみ今年の開幕ゲームは2番に藤本、8番に鳥谷が入れ替わっているくらいであとは全てシリーズまで同じ。これは実はすごいことです。レギュラーシーズンを固定メンバーで戦える強さ、チームに安定した実力があるという事です。
 しかし日本シリーズという短期決戦でこの布陣で機能しない場合にあまりにも代替策がなさすぎました。岡田監督は金本、今岡がどんなに不調でも最後まで4、5番から外すことは出来なませんでした。彼らはチームに対する影響力が強すぎその好不調がそのまま結果に結び付いてしまいました
 思えばプレーオフを戦ったソフトバンクも同じ状態でした。王監督は他を代えても「4番・松中」に固執して敗れました。いつか打ってくれるだろうという期待は重圧としてのしかかっていきました。まぁロッテも抑え小林雅で4点差を逆転されたのですが。

 ロッテの日替わりオーダー、解説者は「猫の目打線」と皮肉を込めて語っていました。しかし選手はこれが自分たちのスタイルと自信を持って戦っていました。バレンタイン監督は前日の試合好調だった選手を次の試合で平気で外します。初めは戸惑っていた選手も積極的な休養とどんな状況でも自分を役割をこなす意識を高めっていったのです。

 日本シリーズで絶好調だった今江(6割6分7厘)李(5割4分5厘)、しかしプレーオフ第2Sは今江(2割2分2厘)李(1割1分1厘)と低調な成績でした。それを引きずらずに役割を果たす意識の高さがシリーズへの活躍につながったのではないでしょうか。私は日本S第一打席で本塁打を放った今江が次打席ににセーフティーバントを決めた場面にうなり、李が安藤からファールで13球粘り四球を選んだ時は感動すら覚えました。今江のバントは自己判断だったようですが第4戦で追い詰められたシーツがノーサインで送りバントを試み失敗した場面と対照的でした。

そして3番には天才打者・福浦。打撃技術の高い彼は好不調なく安打をだせます。
彼は
レギュラーシーズン(3割)
プレーオフ(2割9分)
日本シリーズ(3割8分1厘)

という常に安定したパフォーマンスを見せました。
こういう選手は短期決戦で実に頼りになり逆に阪神にはそのような選手がいませんでした。

以上私見ですが私なりに日本シリーズをまとめてみました。

結果ほど両チームの実力差はほとんどありません。しかしかなりのメディアと野球解説者が冷静な戦力分析をせずに期待(願望?)とセ・パのイメージで阪神有利の論調を推し進めたことが残念でした。だいたいロッテのスタメンひとりひとりがどんな選手か把握出来ていないのですから。



今江選手は笑顔が素敵です。
撮っていて実に絵になります。

報知新聞の一面がAP通信の写真なのは驚きました。
誰もが撮っている場面であのアップ写真、勉強になります。

阪神JFKはすごかったですが明らかに終盤は酷使でした。来シーズンは恐らく誰かが欠けているでしょう。フルイニング出場や最多登板を肯定的にとらえるのは日本のプロ野球の限界を示しているような気がします。

私のプロ野球取材の一年がほぼ終わりました。
皆さまありがとうございました。